オペラの夜(4)

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オペラの夜 (1) (2) (3)

***
4日目 <第三日>「神々の黄昏」  

いよいよ、最終日。今日で終わるー!しかし最終日が一番長い。まだ天も高い夕方の
4時から劇場に入る。4時からということは3時代には劇場に向かわなくてはならないので
これはもうほぼ午後、夕方、夜とオペラ三昧ということになる。

休憩時間で知人に何人か会い、2幕後の最後の休憩で昨日のドイツ人男性に再会。
旦那さんは私が作ってきたおにぎりを食べ始めた。それを見た彼は「それは箸はいらないのか?」
と聞いてきた。私はだるまで買ってきたどらやきを食べた。とりあえずの腹ごしらえ。

夕方4時、5時から劇場に入ると、夕ご飯のタイミングが困る。
休憩は20分、30分、長いと45分と日によって違う。
劇場内で軽く食べている人が多い。ワイン片手にブレッツェルとか。
家から持ってきたお手製バゲットを食べてる人も見かけた。

休憩が終わり、いよいよ第3幕(最終幕)。
席に着くと隣に座ってたおじいちゃんに「さーて、最後だぞ!楽しもう!!」みたいな感じで声をかけられた。
その時は、瞬時に正確には何を言っているのかわからなかったから、若干「??」を
醸し出しつつも笑顔でうなづいてみたら「これが最後の幕だからね。もう今日は4時からここに
いるんだからねえ・・・6時間も経っちゃうよ」とさらに話しかけてきた。
「そうですね。ついにきましたね~」と返事をしたら「あ、君はドイツ語と英語どっちが良い?
英語しゃべれる?」と聞かれた。どうやらさらに話したいことがあるらしい。
「はい、まあちょっとなら・・・」(と言っているそれ自体がドイツ語・笑)と応えると
英語で喋りだした。「あっちの席はよく見えるのかなあ・・・」「私は今シーズンこの劇場に
来るのは初めてなんだよ」とかそんな感じのこと。
言ってることはわかるけど、どうしてもあいづちや答えがドイツ語になってしまう。(両立は
なかなか難しいものです・・・)途中からはドイツ語になった。
「4日間ここで見てるんですか?」と聞いたら「もちろん」。「君は?」と聞かれ「私もです」というと
「うん、素晴らしい」。
そのうち身の上話になり、お互いの素性がわかったところで(笑)いよいよ場内が暗くなった。

来てすぐだったらきっと英語で会話をしていただろう。とはいえ、英語だって別に
流暢にしゃべれるわけではないし、ドギマギしていたと思う。
今はドイツ語が話せるようになったなあと思う。この場合の話せる、とは決して完璧な
ドイツ語を話すというわけではなくドイツ語で”伝えられるようになった”という意味。多少はね。
文法的には間違いや不足の部分がたくさんあるのは自分でもわかってるけど、
とりあえず伝えたいことは通じたようだし、おじいちゃんの言ってることもなんとなくわかったし、
楽しかった。だから嬉しかった。ま、本当にとりとめのない会話ですが。

それと言葉の問題だけでなく、こうやって突然話しかけられたら最初はいちいちびっくりしていた。
今はそれが、さも当たり前かのように気楽に応対できるようになった気がする。
劇場に限らず、ドイツ人はよく話しかけてくる。
カフェ、レジ、電車、お手洗い・・・まるで知り合いのように。それは目を合わせたり、親切心から一言
添えてくれるものだったり、世間話になってしまうようなものだったりといろいろだ。
はたから見てると知り合いのように話していて、でもその後の行動を見ていると
「初対面だったのかよ!」と思わずつっこんでしまうこともある。
たくさんの例があるから、ここには挙げられないけど、とにかく気さくな人たちだなあと思う。

こういう時・・・相手が親切で声をかけてくれても、それがドイツ語力の不足で理解できなかったり
咄嗟に気の利いたことが言えないときが一番落ち込む。逆にわかったときは、テストで満点を
取るよりも嬉しいものだ。(いや、テストで満点取ったらやっぱり嬉しい)

おじいちゃんにふと聞かれた。
「ところでドイツ語の字幕、意味わかるかい?」
汗!!

おじいちゃんはスーツにネクタイをしめてきちんとした格好で来ていた。
ベルリンは他の街に比べると服装に関してはわりとカジュアルな格好が許されているけど
特に年配の夫婦などはきちんとした服装で来ている。
前列に座っていた夫婦の女性はハンドル付きのオペラグラスを持っていた。
それがまたアンティーク屋さんでしか手に入らなさそうな・・・年期の入った、しかしキラキラした
オペラグラスで、オペラの世界の煌びやかな部分を見た気がした。

*
私の席は4日間同じエリアだったけど、列が1列ずれたり、数席ずれたりしたし、
隣の人もその日によって違った。
一方旦那さんの席は、4日間連続で全く同じエリアの同じ席だった。
旦那さんが座ってたエリアのみ、4日間連続でチケットを買える、ということだったらしい。
毎回、前後左右に座る人が同じだったとか。

一幕だけ旦那さんと席を交換して座ったりもしたけど、わりと私のまわりに座ってた人は
ひとりで来ている人が多く見受けられた。多分、誰かと一緒に来ているけど、私たちのように
席が違っただけかもしれないが。
でもこれだけの時間を費やすオペラだから、やはりふたりとも好きでふたりとも同じテンションで
一緒に来る、というのはそう多くあることではないのかもしれない。

*
こうして幕は閉じ、どっぷりオペラに浸かった4日間が終わった。
お話のThe. Endに対してはもちろん、見終わったー!という達成感と安堵があった。

全体を通して、話の内容自体も面白く、演出も壮大で、わかりやすかった。
音楽もかっこよかった。

見て良かった。

じゃあ、もし来月また見れるとしたら、見に行くか?
うん・・・それはまた考える。

(完)

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by miho-berlin | 2011-10-10 07:00 | あふれる音楽♪オペラ♪バレエ♪

もう旅行者ではない、寝ても覚めてもここはベルリン、毎日ベルリン!品川OLが結婚を機に2008年渡独。縁もゆかりもなかったこの街で奮闘する主婦&新米ママのベルリン生活。


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